「今月はいくら稼げた?」
「何人フォロワーが増えた?」
「前より多い?少ない?」
気がつけば、目に見える“数字”ばかりを追いかけていた。
SNSの通知を見て一喜一憂し、売上に振り回され、自分の価値を「数」で測るクセがついていた。
そして、数字が伸び悩んだときには、決まって自己否定のスパイラルに陥った。
「こんなんじゃ、ダメだよね」
「もっと頑張らなきゃ」
「数字がすべてなんだから」
そんなふうに、ずっと“自分を追い立てる言葉”で、自分を追い詰めてきた。
「頑張ってるのに、苦しい」の正体
数字を追いかければ、結果はついてくる。
そう信じて、必死に走ってきた。
でも――
気づけば、心はいつもカラカラだった。
売上が上がっても、満たされなかった。
フォロワーが増えても、自信には繋がらなかった。
何かが、おかしい。
「頑張ってるのに、どうしてこんなに苦しいんだろう?」
その違和感の正体が、やっとわかったのは
“数字”ではなく、“感情”に目を向けはじめた頃だった。
私を動かしていた「他人基準」
「いいねが多い投稿=良い」
「月収〇万円達成=すごい」
「バズる=正解」
私はいつの間にか、「誰かの基準」を自分のゴールにしていた。
周りからの評価。
SNSの反応。
業界の常識。
“当たり前”の数字。
そのすべてが、私の中で「正しさ」になっていた。
だから、他人と比べては落ち込み、
もっと、もっと、と自分にムチを打っていた。
定義を変えたきっかけ:「ふと、感じた違和感」
ある日、友人とカフェで話しているとき、ふと口から出た言葉があった。
「数字は増えてるけど…全然、嬉しくないんだよね。」
それを聞いた友人が、笑いながら言った。
「それ、“豊かさ”じゃないじゃん。」
……ハッとした。
自分が必死に求めてきたものは、“数字”ではなく、“豊かさ”だったはずなのに。
いつの間にか、それをすり替えていた。
その瞬間、心の中にストンと何かが落ちた。
私にとっての「豊かさ」とは何か?
それから私は、「豊かさ」の定義を自分の中で見直すことにした。
- 朝、焦らずにゆっくりコーヒーが飲めること
- 誰かの悩みに、自分の言葉で寄り添えたとき
- 無理せずに自然体で働けること
- 大切な人と穏やかな時間を過ごせること
そんな一つひとつが、「豊かさ」だと思えるようになった。
誰かの評価じゃなくて、自分の感覚。
世間の常識じゃなくて、自分の心の声。
それを大切にしたら、今までとは違う意味で“満たされる感覚”が生まれた。
数字を捨てたわけじゃない
誤解しないでほしい。
私は、数字を全否定してるわけじゃない。
売上が上がったら、やっぱり嬉しい。
フォロワーが増えたら、やっぱりありがたい。
でも、数字が「すべて」ではない。
それが、今の私のスタンス。
「数字=自分の価値」だった頃は、
常に不安と焦りがつきまとっていた。
だけど、**「豊かさ=自分で定義していい」**と思えた今、
日々が少しだけ、やわらかくなった。
おわりに:定義を変えると、人生が変わる
私たちは、気づかぬうちに「誰かの正解」を背負っていることがある。
気づかぬうちに、「数字」に縛られてしまっていることがある。
でも――
あなたの人生の“豊かさ”を決めるのは、あなただけ。
「数字に追われて苦しい」と感じたら、
ぜひ一度立ち止まって、自分に問いかけてみてほしい。
“私にとっての豊かさって、何?”
その答えは、たぶん、数字の外側にある。