「元風俗嬢」――この肩書きを表に出すことが、どれだけ怖かったか。
過去を知られたくないと思って生きてきた私が、今こうして“自分の物語”を文章にして発信している。
それは、ほんの数年前の私からは想像もできないことでした。
だけど今では、「書いてくれてありがとう」と言ってもらえるようになった。
この記事では、そんな私がどうやって過去を“コンテンツ”に変えてきたのか、その5つのプロセスを丁寧にお話しします。
過去を「なかったこと」にしないと決めた
風俗を辞めてすぐの私は、とにかく過去を隠したくて仕方なかった。
履歴書の空白も、恋人との会話も、友達との時間も、全部ウソで埋めていた。
でも、その嘘をつくたびに自分がどんどんちっぽけに感じた。
「どうして私だけ、恥ずかしがらなきゃいけないの?」
「私の人生って、こんなに後ろめたいものなの?」
そう思ったとき、「過去を恥じるより、自分で肯定したほうがラクかもしれない」と思ったんです。
それが、最初の小さな“覚悟”でした。
誰かに話すことから始めた
最初は匿名のSNSでした。
フォロワーも少なくて、誰にも知られていない場所。
そこに、小さな日記のように過去のことを書いてみた。
驚いたのは、「私もです」と返信をくれる人がいたこと。
“言葉”にするだけで、こんなにも人とつながれるんだって初めて知った瞬間でした。
そこから、私は少しずつ自分の過去を“物語”として語るようになりました。
正直に話すことで、「自分を大事にできる感覚」を取り戻していったんです。
書く力を「スキル」として磨いた
「過去を話す」ことと、「過去を伝える」ことは違う。
自分の体験を誰かに伝えるには、“伝え方”がとても大事です。
私は文章の書き方やタイトルの付け方、SEOの基礎を独学で学びました。
そのうえでNoteやブログ、SNSで発信を重ねながら「読まれる文章」になるように工夫してきました。
- キャッチーな導入を書く
- 読者の「共感ポイント」を意識する
- 自分の経験だけで終わらせず、学びにつなげる
こうした工夫は、自己表現を「価値のあるコンテンツ」に変えていく力になります。
「自分だけの視点」を大切にした
風俗の経験がある人なんて、世の中にたくさんいる。
でも、「私の視点でしか書けないこと」があると思ったんです。
- お金に困って飛び込んだ初日の話
- 嬢の控え室での何気ない会話
- 何度もやめようと思ってやめられなかった心情
- その仕事を通じて学んだ“人との距離感”
それは私にしか書けないもの。
たとえ“誰かの役に立たない”と思えることでも、「本当のこと」を書き続けることが、私の信頼につながりました。
「誰かのために書く」ことを忘れなかった
正直、途中で何度もくじけそうになりました。
「誰かに否定されたらどうしよう」
「自分の人生を切り売りしてるみたいで虚しくなることもある」
でも、そんなときに私を支えてくれたのは、読んでくれた人の「ありがとう」や「あなたの言葉で救われました」という声でした。
私の文章が、誰かの夜を少しだけ明るくするかもしれない。
そう思えるようになってから、“発信”はただの自己満足ではなく「ギフト」になったんです。
おわりに|過去を「語る強さ」が未来を作る
私はいまでも、自分の過去が完璧だとは思っていません。
でも、あの時間があったからこそ、私は今「誰かの力になれる」という実感を持てるようになりました。
「元風俗嬢」――その肩書きを、自分の“弱み”として抱え続けるのか、
それとも“強み”として活かすのかは、自分次第。
過去は変えられないけど、未来は自分で選べる。
この記事が、あなたの中の“語ってもいいかもしれない物語”を見つけるきっかけになりますように。